年齢を重ねるに連れて男性ホルモンであるテストステロンの分泌量が低下することで、生殖機能が衰えてED(勃起不全)になることがあります。
年を取れば誰でも精力は減退していきますが、同じ年代の男性の中でもEDに悩んでいる方もいれば、ずっと現役で夜の生活を楽しんでいる男性もいます。
EDになる原因はさまざまなことが考えられますが、運動不足も一つの原因だと言われています。
ある研究結果によれば、週に2時間30分以上のランニングを実施している男性と普段から運動をする習慣がない男性を対象にした調査では、日頃からランニングをしている男性の方がEDになるリスクが30%低いという結果が報告されています。
運動不足が原因でEDになる
運動不足になると高血圧や糖尿病、肥満などを引き起こす恐れがあることはよく知られていますが、実はEDの原因にもなることがあるのです。
日頃から運動をしていないと血管内皮機能が低下したり自律神経などの神経機能の低下を招く恐れがあります。
人間の身体は海綿体に十分な血液が流れ込むことで勃起する仕組みになっています。血管内皮機能が低下することで血液がスムーズに流れなくなるため、勃起力が弱まってしまいます。
また、勃起は脳から指令を受けることで実現します。自律神経の機能が低下することで脳からの指令が正常にペニスにまで到達できずに勃起が困難になることがあります。
内臓脂肪型肥満は要注意
最近の研究によると、内臓脂肪型肥満はEDを引き起こす可能性があると報告されています。
肥満には皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満に分類できます。皮下脂肪型は皮膚と筋肉の間の皮下脂肪が蓄積して肥満になるタイプです。
一方の内臓脂肪型は腸の周りにつく内臓脂肪が蓄積して肥満になっているタイプです。
内臓脂肪型肥満はEDだけでなく、生活習慣病のリスクも高くなります。
ウォーキングなどの有酸素運動
日頃から運動をする習慣がなかった場合は軽いウォーキングから始めましょう。
いきなりランニングや筋トレなどのハードワークになるような運動を始めても身体に負担を与えてしまい、怪我や体調を崩してしまう可能性が高いです。
ウォーキングなら関節や、筋肉、心臓などに負担をかけないようにしながら十分に汗をかいて身体機能をアップさせることができます。
ウォーキングをすることで下半身を重点的に動かすことができるため、下半身の血流が改善され、海綿体にも十分な血流を送り込むことが可能になります。
また、有酸素運動をすることで余分な脂肪分を燃焼することができるので、ED防止だけでなく肥満解消にも効果があります。
ウォーキングをする時間を取れない場合は通勤時に一つ手前のバス停で下車して歩いたり、普段より少し遠回りをして通勤するなどの工夫をすることで簡単に実施することができます。
一般的なビジネスシューズではなく、ウォーキングをしやすいタイプの靴を使用することでさらに効果が高まります。最近では各メーカーからスポーツシューズのノウハウを活用したビジネスシューズも数多く販売されています。
筋力トレーニング
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動だけでなく、筋力トレーニングなどの無酸素運動もED改善に効果があります。
筋力トレーニングを実施することによって血流や新陳代謝が改善されます。その結果、海綿体にも血流の流入量がアップして勃起力が高まります。
その他にもテストステロンの分泌量が促進されるので、精力自体もアップします。
腕立て伏せや腹筋、背筋、スクワットなど、どの筋力トレーニングを実施しても効果があります。
中でもおすすめの筋力トレーニングがスクワットです。スクワットをすることで大臀筋や大腿四頭筋を鍛えることができます。
但し、オーバーワークには気を付けましょう。最初から負荷をかけすぎてしまうと身体がついてこれなくて、筋肉や関節などを痛めてしまう恐れがあります。
最初は軽い負荷をかけながら徐々に負荷を大きくしていくようにしてください。また、スクワットをするスピードをゆっくりにすることで怪我の予防になります。
サイクリングは逆効果
運動をしている方の中にはサイクリングを取り入れているケースも多いです。
サイクリングは下半身を鍛えることができるだけでなく、スピードを出せて爽快感を感じることができるなどのメリットもあります。
しかしサイクリングを取り入れるのは少し注意をして下さい。なぜならサイクリングを習慣にすることで逆にEDの原因になる可能性があるためです。
『サイクリングED』と呼ばれていて、特に競技用のスポーツタイプの自転車の利用には注意が必要です。
スポーツタイプの自転車は運動効率と車両の軽量化のためにサドル部分が細長く設計されています。
そして前傾姿勢で乗るため、ペニス付近の会陰部が細長いサドルに圧迫されてしまうのです。(※会陰部とは陰嚢と肛門の間です)
会陰部には勃起をする際に機能する重要な内陰部動脈や陰部神経が存在しているため、 サドルから圧迫を受けることで勃起障害になりやすくなります。
さらに肥満であれば体重による圧迫も強くなりさらにEDになりやすくなってしまいます。
まとめ
上述しているように、運動不足とEDは少なからず因果関係があります。
もしあなたが運動不足で最近精力がなくなってきたと感じているなら、軽い運動でも良いので始めてみることをおすすめします。
1日や2日くらいの運動をしたからといって、すぐに効果が実感できるわけではありません。
しかし短い時間でもよいので継続して運動する習慣を身に付けることで、EDが改善する可能性は十分にあります。
適度な運動はEDだけでなく、さまざまな生活習慣病の予防にも効果的なのでぜひ取り入れて下さい。