タバコをよく吸う習慣のある方なら一度は「メンソールのタバコを吸いすぎたらインポになる(勃起しなくなる)から気を付けた方が良いよ!」という忠告を受けたことがあると思います。
まことしやかに信じられている噂は本当なのでしょうか?
メンソールとは・・・
メンソールはアルコールの一種である有機化合物です。メントールには冷たさを感じる受容体を活性化させる働きがあるため、肌に触れたりすると、スーッとした感触があり清涼感を感じられます。
タバコ以外にも歯磨き粉やチューインガム、タブレット、リップクリームなどに使用されています。
メンソールとタバコの関係
メンソールを摂取したり肌に塗ったりすることによる重大な副作用は報告されていません。
そのため、メンソール入りのタバコを吸うことによって、インポテンツに直接繋がるという因果関係はありません。
では、なぜこのような噂が広がっているのでしょうか?
一説ではベトナム戦争時に米軍兵士の性犯罪(レイプなど)を防止するために兵士のタバコの中に薬品を混ぜて性欲を減退させようとしたという話があります。
単に薬品を混ぜただけではタバコを吸った際に違和感を感じるので、そこにメンソールを混ぜて分からないようにしたそうです。
そしてベトナム戦争から帰還した兵士達の精力が減退して勃起不全も見られたため、メンソールのタバコを吸ったのが原因だと認識をして噂がどんどん広まっていったという説があります。
つまり、インポテンツになったのはメンソールが原因ではなく、タバコに含まれた精力を減退させる薬品が原因だったということです。
タバコの喫煙がEDの原因です
但し、タバコを吸うことによって男性の生殖機能に悪影響を及ぼす恐れがあります。実際にEDの悩みを抱えて病院に訪れる約8割以上が喫煙者だというデータもあります。
タバコに含まれているニコチンは血管を収縮させる作用があります。ペニスが勃起するためにはスポンジ状になっている海綿体に多くの血液を流し込まなければいけません。
ニコチンの作用によって血管が収縮してしまうと海綿体に十分な血液を流し込めなくなり勃起するのが困難になるのです。
その他にも心拍数の増加や血圧の上昇など、循環器機能に悪影響を及ぼすことが確認されています。
特に30歳を超える男性で、1日に10本以上のタバコを吸う習慣がある場合は十分に気を付けて下さい。
禁煙をしてもEDが治らないケースがあります
では禁煙をすることによってEDは改善されるのでしょうか?
残念ながら一度EDを発症してしまった場合は、禁煙をすることでEDが改善できる保証はどこにもありません。
喫煙によって収縮・硬化してしまった血管は簡単には元に戻りません。
そのため、EDにならないことが何よりも大切になります。血管の収縮や硬化は徐々に進行していきます。
病院で治療することもできます
もしあなたが今後EDの悩みを抱えたくないのであれば、できるだけ早くタバコを止めることをおすすめします。
身体に良くないということで禁煙にチャレンジする方は多いですが、実際に禁煙に成功する割合はそれほど多くはありません。
習慣になっているタバコを簡単に止めることは難しいですが、最近では病院で治療することができます。
禁煙外来では担当の医師があなたの喫煙歴を正しく把握した上で適切な禁煙補助薬を処方して治療の経過を見守ってくれます。
また、ニコチン依存症であると認められた場合は保険が適用されるので、治療費も安く済ませることができます。
ちなみにニコチン依存症として認められる条件は下記のとおりです。
1)ニコチン依存症の判定テストが5点以上
2)<1日の平均喫煙本数×これまでの喫煙年数>が200以上(※35歳未満にはこの要件はありません)
3)直ちに禁煙を始めたいと思っている
4)禁煙治療を受けることを文書で同意している参考サイト:禁煙外来とは?~すぐ禁煙.jp~
まとめ
メンソールのタバコを吸うことでEDになることはありません。
しかし日頃からタバコを吸う習慣がある方は、ニコチンの作用で血管が収縮・硬化してペニスの勃起力を低下させてしまう恐れがあります。
EDを予防するためにもタバコの喫煙自体を控えるようにすることをおすすめします。